電動歯ブラシ、回転式と音波式
どっちがいい?
2021年のシステマティックレビュー(15の研究・34の比較)では、プラーク除去は回転式がわずかに優れると報告されました。ただしその差は「非常に小さい」もので、確実性は「中程度」。しかも同じ2021年に、4週間使い続けた結果を比べた別の独立系レビュー(24試験・2,998人)は「どちらが優れているとも言えない」と結論しています。どちらを選んでも、手用ブラシより効率よくプラークを落とせることに変わりはありません。タイプ選びより、毎日きちんと当てて磨けているかのほうがずっと大切です。
回転式 vs 音波式 早見表
| ポイント | 回転式(オシレーティング) | 音波式(高頻度) |
|---|---|---|
| 動き | 丸いブラシが左右に回転・反転 | 細かく高速に振動 |
| プラーク除去(1回磨き) | わずかに優位 | 僅差で続く |
| プラーク・歯肉炎(4週間) | 差なし(独立系レビュー・24試験2,998人) | |
| 差の大きさ | 「非常に小さい」(確実性は中程度) | |
| 手用ブラシとの比較 | どちらも効率よく落とせる | |
※この研究は主に「1回の歯みがき」でのプラーク除去を比べたものです。長期のむし歯・歯周病の予防効果そのものを直接比較したものではない点に注意してください。
米国歯科医師会の学術誌に載った2021年のシステマティックレビュー(24試験・2,998人)は、4週間使い続けたあとのプラーク・歯肉炎を比較し、「回転式・音波式のどちらが優れているとも示唆されない」と結論しました。プラーク指数の差は0.02(ほぼゼロ)、歯肉炎の差も認められていません。著者らは「どちらを使う人も、一方に多くの利点を感じることはないだろう」とまで書いています。
1回だけ磨いた結果を見るか、4週間続けた結果を見るかで、答えが変わっているのです。売り場で「どちらが上か」を悩む意味は、ほとんどありません。
今回の差は、プロが磨いた条件で最もはっきりし、本人が磨くと差は縮みました。つまり“どう当てるか”という技術の影響のほうが大きいということ。高い機種を買っても、当て方が雑なら宝の持ち腐れです。まずは正しい当て方と、毎日続けることを優先しましょう。
回転式と音波式の差は、実感できないほど小さいものでした。だからこそ、握りやすさ・使用感・替えブラシの手に入りやすさで選んでOK。毎日ちゃんと当てて、続けられること。それが、どちらのタイプを選ぶかよりもずっと大きな差を生みます。
- プラーク除去は回転式がわずかに優位(2021年SR・15研究)
- ただし差は「非常に小さい」。確実性は中程度
- 差はプロ磨きで最大、本人磨きでは縮む=当て方の影響が大きい
- 4週間続けた結果を見た独立系レビューは「差なし」と結論。優劣は決着していない
- 選ぶ基準は続けやすさ・使用感。どちらも手用より効率的
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の製品の効果を保証するものではありません。歯や歯ぐきの状態に不安がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. van der Sluijs E, Slot DE, Hennequin-Hoenderdos NL, Valkenburg C, van der Weijden F. Dental plaque score reduction with an oscillating-rotating power toothbrush and a high-frequency sonic power toothbrush: a systematic review and meta-analysis of single-brushing exercises. Int J Dent Hyg. 2021;19(1):78-92. doi:10.1111/idh.12463. PMID: 32940391. PubMed
- 2. El-Chami H, Younis A, Brignardello-Petersen R. Efficacy of oscillating rotating versus side-to-side powered toothbrushes on plaque and gingival index reduction: A systematic review. J Am Dent Assoc. 2021;152(2):115-126.e4. doi:10.1016/j.adaj.2020.10.002. PMID: 33358240. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。