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歯茎が下がる(歯肉退縮)のはなぜ?
戻せるの?を論文で
「前より歯が長くなった気がする」「歯の根元がしみる」。それは歯茎が下がる=歯肉退縮(しにくたいしゅく)のサインかもしれません。一度下がった歯茎は自然に戻るのか、止める方法はあるのか。研究をもとに整理します。
先に結論
一度下がった歯茎が、自然にもとの高さまで戻ることは基本的に期待できません。まず大切なのはこれ以上の進行を止めること(強すぎるブラッシングや歯周病のコントロール)。見た目や根の露出が問題になる場合は、外科的に根の表面を歯茎で覆う治療があり、システマティックレビューでは結合組織移植を併用する方法が"標準的な選択肢"と報告されています。
出典:Chambrone L, et al. Does the subepithelial connective tissue graft in conjunction with a coronally advanced flap remain as the gold standard therapy for the treatment of single gingival recession defects? A systematic review and network meta-analysis. J Periodontol. 2022 PMID: 35451068
歯茎が下がるおもな原因
| 原因 | どういうこと? | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 強すぎるブラッシング | 硬い毛・力・横磨きで歯茎がすり減る | やわらかめの歯ブラシ・弱い力で |
| 歯周病 | 炎症で歯を支える骨と歯茎が下がる | 歯科でのクリーニング・治療 |
| 歯ぎしり・くいしばり | 過剰な力が歯茎・骨に負担をかける | マウスピースなどで力を分散 |
| 歯並び・被せ物の縁 | 清掃しにくい・負担がかかりやすい | 歯科で原因を評価してもらう |
※原因は一つとは限らず、複数が重なることも多いです。しみる・見た目が気になる・進んでいる気がする場合は、自己判断せず歯科で原因を確かめてもらいましょう。
Q下がった歯茎は、もう元に戻らないんですか?
A
現役歯科医師が回答ケアだけで自然に元の高さまで戻る、というのは残念ながら期待しづらいです。ただ、進行を止めることはできますし、根の露出や見た目が問題な場合は歯茎で根を覆う外科治療という選択肢があります。システマティックレビューでは、結合組織移植+歯肉弁を歯冠側へ移動する方法が単独の歯肉退縮に対する標準的な治療と位置づけられています。まずは原因を止めることが先決です。
良かれと思ってやりがちなNG
「しっかり磨かなきゃ」と硬い歯ブラシで力を入れてゴシゴシ横磨きするのは、歯茎の退縮を進める代表的な原因です。プラークは強い力ではなくやさしく細かく動かすことで落とせます。露出した根はむし歯にもなりやすいので、力任せの磨き方は逆効果になり得ます。
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「止める」だけでも大きな前進
元に戻すのは簡単ではありませんが、やさしいブラッシングに変える・歯周病をコントロールするだけで、これ以上の後退を防げます。進行を止められれば、しみる不快感やむし歯リスクも抑えやすくなります。覆う治療が必要かどうかも含めて、まずは歯科で現状を評価してもらいましょう。
まとめ
- 下がった歯茎が自然に元へ戻ることは期待しづらい
- まずはやさしい歯みがき+歯周病ケアで進行を止める
- 見た目・根の露出が問題なら歯茎で覆う外科治療という選択肢も
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Chambrone L, Botelho J, Machado V, Mascarenhas P, Mendes JJ, Avila-Ortiz G. Does the subepithelial connective tissue graft in conjunction with a coronally advanced flap remain as the gold standard therapy for the treatment of single gingival recession defects? A systematic review and network meta-analysis. J Periodontol. 2022;93(9):1336-1352. doi:10.1002/JPER.22-0167. PMID: 35451068. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。