入れ歯は夜つけたまま
寝ていいの?
高齢者を対象とした研究では、夜間も入れ歯を装着したまま寝ていた人は、外して寝ていた人にくらべて肺炎のリスクが約2.3倍高かったと報告されています。基本は夜に外して、清潔に保管するのが安全側の選択です。
なぜ夜の装着が肺炎につながるの?
入れ歯の表面には、細菌のかたまり(デンチャープラーク)やカンジダなどの微生物が付着します。日中は唾液の流れや飲食で口の中がある程度洗い流されますが、睡眠中は唾液が減り、菌が増えやすい環境になります。この状態で入れ歯を入れたまま眠ると、口腔内の細菌量が増え、それが気道に入り込む「誤嚥性肺炎」のリスクにつながると考えられています。上の研究では、装着したまま寝る習慣が肺炎リスクの上昇と関連していたと報告されており、とくに飲み込む力が落ちてくる高齢の方では見過ごせないポイントです。
もうひとつの理由は、歯ぐき(粘膜)の休息です。入れ歯は一日中、歯ぐきを圧迫し続けています。夜に外すことで粘膜が回復する時間ができ、義歯性口内炎などのトラブルを避けやすくなります。「24時間ずっと着けっぱなし」は、口の中にとってかなりの負担なのです。
睡眠中は唾液が減り、入れ歯の表面で細菌やカンジダが増えやすくなります。それが気道に入り込むと誤嚥性肺炎の引き金になり得ると報告されています。とくに飲み込む力が落ちてくる高齢の方では見過ごせないリスクです。
夜に外すだけで歯ぐき(粘膜)が休まり、義歯性口内炎などのトラブルを避けやすくなります。水や洗浄剤に浸けて保管する習慣とセットにすれば、入れ歯そのものも長持ちしやすくなります。
- 夜間装着で高齢者の肺炎リスクが約2.3倍と報告されています
- 基本は夜に外して歯ぐきを休ませる
- 外した入れ歯は乾かさず水・洗浄剤に浸けて保管
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Iinuma T, Arai Y, Abe Y, Takayama M, Fukumoto M, Fukui Y, et al. Denture wearing during sleep doubles the risk of pneumonia in the very elderly. J Dent Res. 2015;94(3 Suppl):28S-36S. doi:10.1177/0022034514552493. PMID: 25294364. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。