オーラルフレイルってどうするの?
放置するとどうなる?
地域在住の高齢者を追った研究では、オーラルフレイル(口の衰え)がある人は、身体的フレイルや要介護、そして死亡のリスク上昇と関連していたと報告されています。つまり口の小さな衰えは全身の衰えの「前ぶれ」になりうるため、早めに気づいて手を打つことが大切です。
オーラルフレイルのサインと悪循環
オーラルフレイルは、いきなり起こるものではありません。「滑舌の低下」「食べこぼし」「わずかなむせ」「噛める食品が減る」「口の乾き」といった、ごく小さな衰えの積み重ねから始まると考えられています。ひとつひとつは些細で見逃されやすいのですが、上の研究では、こうした口の機能低下がある人ほど、その後の身体的フレイルや死亡のリスクが高い傾向にあったと報告されています。
怖いのは悪循環です。噛みにくくなると、やわらかいものや食べやすいものに偏り、たんぱく質が不足しがちになります。すると全身の筋肉が落ち(サルコペニア)、活動量が減り、さらに食べる力も落ちる——という下り坂に入りやすくなります。だからこそ、口の衰えは「口だけの問題」ではなく、全身の健康維持の入り口として捉える必要があります。
「むせ」「食べこぼし」を年のせいと見過ごすと、噛める食品が減って栄養が偏り、筋肉の減少(サルコペニア)→活動量の低下→さらに食べる力の低下という下り坂に入りやすくなります。研究では、口の衰えは身体的フレイルや死亡リスクの上昇と関連すると報告されています。
オーラルフレイルは小さなサインのうちに気づけば、口を使う生活や口腔体操で立て直しやすい段階です。噛める口を保つことが、そのまま食べる力・全身の元気につながります。
- オーラルフレイルは身体的フレイル・死亡リスクの上昇と関連すると報告されています
- 滑舌・むせ・食べこぼしなど小さなサインに早く気づく
- よく噛む生活+口腔体操・保湿・歯科受診で悪循環を断つ
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Tanaka T, Takahashi K, Hirano H, Kikutani T, Watanabe Y, Ohara Y, et al. Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018;73(12):1661-1667. doi:10.1093/gerona/glx225. PMID: 29161342. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。