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高齢と歯 2026年7月11日 読了 約4分

オーラルフレイルってどうするの?
放置するとどうなる?

「最近ちょっとむせやすい」「硬いものが食べづらい」——年のせいと片づけがちなこのサイン、オーラルフレイル(口の衰え)の入り口かもしれません。単なる口の問題にとどまらない、と報告されています。研究をもとに整理します。
先に結論

地域在住の高齢者を追った研究では、オーラルフレイル(口の衰え)がある人は、身体的フレイルや要介護、そして死亡のリスク上昇と関連していたと報告されています。つまり口の小さな衰えは全身の衰えの「前ぶれ」になりうるため、早めに気づいて手を打つことが大切です。

出典:Tanaka T, Iijima K, et al. Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018 PMID: 29161342

オーラルフレイルのサインと悪循環

オーラルフレイルは、いきなり起こるものではありません。「滑舌の低下」「食べこぼし」「わずかなむせ」「噛める食品が減る」「口の乾き」といった、ごく小さな衰えの積み重ねから始まると考えられています。ひとつひとつは些細で見逃されやすいのですが、上の研究では、こうした口の機能低下がある人ほど、その後の身体的フレイルや死亡のリスクが高い傾向にあったと報告されています。

怖いのは悪循環です。噛みにくくなると、やわらかいものや食べやすいものに偏り、たんぱく質が不足しがちになります。すると全身の筋肉が落ち(サルコペニア)、活動量が減り、さらに食べる力も落ちる——という下り坂に入りやすくなります。だからこそ、口の衰えは「口だけの問題」ではなく、全身の健康維持の入り口として捉える必要があります。

Q家でできる対策はありますか?
A
現役歯科医師が回答まずは「よく噛んで食べる」「しっかり話す・笑う」といった、口を積極的に使う生活が土台です。加えて、パタカラ体操や舌の運動などの口腔体操、口の乾きが気になる方は保湿ケアもおすすめです。そして何より、合わない入れ歯や治療していない歯を放置しないこと。噛める口を保つことが、そのまま食べる力・全身の元気につながります。気になるサインがあれば、早めにかかりつけ歯科で口の機能をチェックしてもらってください。
小さな衰えを放置すると…

「むせ」「食べこぼし」を年のせいと見過ごすと、噛める食品が減って栄養が偏り、筋肉の減少(サルコペニア)→活動量の低下→さらに食べる力の低下という下り坂に入りやすくなります。研究では、口の衰えは身体的フレイルや死亡リスクの上昇と関連すると報告されています。

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早く気づくほど立て直せる

オーラルフレイルは小さなサインのうちに気づけば、口を使う生活や口腔体操で立て直しやすい段階です。噛める口を保つことが、そのまま食べる力・全身の元気につながります。

まとめ

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Tanaka T, Takahashi K, Hirano H, Kikutani T, Watanabe Y, Ohara Y, et al. Oral Frailty as a Risk Factor for Physical Frailty and Mortality in Community-Dwelling Elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018;73(12):1661-1667. doi:10.1093/gerona/glx225. PMID: 29161342. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。