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高齢と歯 2026年7月13日 読了 約4分

手術前の歯科受診(周術期口腔機能管理)って
どうするの?

「がんの手術前に、歯医者にも行ってくださいと言われた」——なぜ口の中と手術が関係するの?と不思議に思う方が多いところです。これは周術期口腔機能管理という、いま病院と歯科が連携して行う大切な準備です。
先に結論

術前の歯科口腔ケアが術後肺炎・死亡を低減したと、日本の大規模データをもとに報告されています。手術前に口の中を整えておくことで、誤嚥や細菌による合併症のリスクを下げるねらいがあります。手術が決まったら、早めの歯科受診が安心です。

出典:Ishimaru M, et al. Preoperative oral care and effect on postoperative complications after major cancer surgery. Br J Surg. 2018 PMID: 30088267

なぜ手術前に口を整えるの?

全身麻酔の手術では、口から管(チューブ)を入れます。このとき口の中の細菌が気道に落ち込むと、術後の肺炎の一因になり得ます。ぐらついた歯があれば挿管時に欠けたり外れたりする心配もあります。だからこそ、手術前にむし歯・歯周病・汚れ・動揺歯をチェックして整えておくわけです。

具体的には、歯科でクリーニング(プロによる清掃)を受け、必要なら応急処置やぐらつく歯の対応を行い、自宅でのセルフケアの指導を受けます。抗がん剤や放射線治療の前後は口内炎が起きやすく、事前のケアが症状を和らげる助けにもなります。

受診の流れと家でのケア

入院前に、病院から紹介された歯科(または地域のかかりつけ)を受診します。手術直前だと処置が間に合わないこともあるため、日程が決まったらすぐが理想です。家では、ていねいな歯みがきに加え、含嗽剤でのうがいや口腔保湿で口の中を清潔・しっとりに保ちましょう。

Qもう手術が近いのですが、今からでも意味ありますか?
A
現役歯科医師が回答はい、直前でもやる価値は十分あります。大がかりな治療ができなくても、汚れを落として口の中の細菌量を減らすだけでリスク管理になります。まずは主治医に「歯科も受けたい」と伝えてください。ご自宅では、うがいと保湿を続けておくだけでもコンディションが違います。
口の中を整えずに手術に臨むと…

口の中に細菌が多いまま全身麻酔の手術を受けると、挿管時に細菌が気道へ落ち込み術後の肺炎の一因になり得ます。ぐらついた歯が挿管中に欠けたり外れたりするリスクもあります。だからこそ、手術前の口腔ケアが安全のための大切な準備になります。

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早めの受診ほど準備が整う

手術の日程が決まったらすぐ歯科を受診すると、クリーニングや必要な処置に余裕をもって取り組めます。直前でも、汚れを落として口の中の細菌量を減らすだけでリスク管理になります。早く動くほど、より万全な状態で手術に臨めるのがメリットです。

まとめ

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Ishimaru M, Matsui H, Ono S, Hagiwara Y, Morita K, Yasunaga H. Preoperative oral care and effect on postoperative complications after major cancer surgery. Br J Surg. 2018;105(12):1688-1696. doi:10.1002/bjs.10915. PMID: 30088267. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。