歯の数と寿命って
関係あるの?
残存歯数や咬合状態の悪化が各種死亡リスクと関連すると報告されています。日本の高齢者を追跡した研究で、歯が少ない・噛み合わせが悪いほど、その後の死亡リスクが高い傾向が示されました。歯を守ることは、口だけでなく全身の健康づくりにつながります。
歯が「原因」で寿命が縮む、とまで言える?
ここは慎重に読む必要があります。研究が示すのは「関連(相関)」であって、歯を失うことが直接寿命を縮めると証明したものではありません。歯が少ない人は、噛めないことで食事が偏る、全身の生活習慣病を持っている、といった背景も重なりがちです。それでも、よく噛めることが栄養・全身状態に効いてくるという道筋は理にかなっています。
大切なのは因果を断定することより、「歯を残す努力は将来の自分への投資になり得る」という向き合い方です。1本でも多く、健康な歯と噛み合わせを保つことに損はありません。
今日からできる「歯を残す」ケア
歯を失う二大原因はむし歯と歯周病です。毎日の歯みがきに加え、歯間ブラシやフロスで歯と歯の間を清掃し、定期的に歯科でクリーニングを受けましょう。もしすでに歯を失っている場合も、入れ歯やブリッジなどで噛み合わせを回復し、清潔に保つことが次の1本を守ります。
むし歯や歯周病を放置して1本失うと、その空きスペースへ隣の歯が傾き、噛み合わせが崩れて次の1本、また次の1本とドミノ式に失いやすくなります。噛める歯が減るほど食事も偏りがちになり、全身の健康にも波及すると報告されています。
歯間清掃と定期クリーニングを続けて1本でも多く自分の歯を残すことは、将来しっかり噛んで食べられる生活につながります。早く始めるほど手間もコストも小さくすみ、その先の健康づくりに前向きに効いてきます。
- 残存歯数や咬合の悪化は死亡リスクと関連すると報告
- ただし相関であり、歯を守る意義の裏づけとして読む
- 歯間清掃+定期クリーニングで1本でも多く残す
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Shaddox LM, Wiedey J, Calderon NL, Magnusson I, Bimstein E, Bidwell JA, et al. Local inflammatory markers and systemic endotoxin in aggressive periodontitis. J Dent Res. 2011;90(9):1140-4. doi:10.1177/0022034511413928. PMID: 21730256. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。