初期虫歯(白い斑点)は
削らず治せるの?
複数の研究をまとめた解析では、CPP-ACP(MIペースト)は初期う蝕・白斑の再石灰化にプラセボより有効と報告されています。つまり穴があく前の白い段階なら、削らずに歯を立て直せる可能性があるということ。ただし「すでに穴があいた虫歯」を元に戻す魔法ではない点は押さえておいてください。
白い斑点は「溶けかけ」、再石灰化で立て直す
歯の表面は、食事のたびに酸で少し溶け(脱灰)、だ液の力で元に戻る(再石灰化)ことを毎日くり返しています。このバランスが崩れて溶ける方に傾くと、まず表面がツヤを失った白い斑点になります。これがまだ穴のあいていない初期虫歯です。
CPP-ACPは牛乳由来のタンパクとカルシウム・リンを結びつけた成分で、歯の表面にカルシウムとリンを供給しやすくします。この論文では、CPP-ACPを使った群はプラセボの群より白斑の再石灰化が進んだと報告されています。フッ素とは働き方が少し違うので、フッ素と組み合わせて使うことも一般的です。
臨床でも、矯正装置の周りにできやすい白斑や、乳歯の初期う蝕に対して「まず削らず、清掃とフッ素・MIペーストで様子を見る」という選択はよくあります。穴があく前にどれだけ手を打てるかが、削らずに済むかどうかの分かれ道です。
白斑は歯が溶けかけた初期虫歯のサインです。清掃やケアが追いつかず脱灰が進むと、やがて穴があき、そうなると削って詰める処置が必要になります。穴があいた虫歯は元には戻りません。穴があく前にどれだけ手を打てるかが、削らずに済むかの分かれ道です。
穴があく前の白い段階なら、毎日の歯みがき+フッ素にCPP-ACP(MIペースト)を上乗せすることで、削らずに歯を立て直せる可能性があると報告されています。早く気づいて手を打つほど、削る処置を避けやすくなります。
- CPP-ACP(MIペースト)は初期う蝕・白斑の再石灰化にプラセボより有効と報告
- 効くのは穴があく前の白い段階。穴があいた虫歯は元に戻せない
- 毎日の歯みがき+フッ素が土台。MIはその上乗せとして使う
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Li J, Xie X, Wang Y, Yin W, Antoun JS, Farella M, et al. Long-term remineralizing effect of casein phosphopeptide-amorphous calcium phosphate (CPP-ACP) on early caries lesions in vivo: a systematic review. J Dent. 2014;42(7):769-77. doi:10.1016/j.jdent.2014.03.015. PMID: 24705069. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。