歯ぎしり対策のマウスピース
(スプリント)ってどうするの?
スプリントで歯ぎしりそのものが止まる、という明確な証拠はまだ十分ではないと報告されています。一方で、上下の歯の間に緩衝材が入ることで歯の摩耗(すり減り)を守る利益はありうるとされています。「歯ぎしりを治す装置」というより「歯を守る装置」と捉えるのが実態に近いです。
スプリントは「守る」ための装置
上記のコクランレビューでは、睡眠時の歯ぎしりに対してスプリントを使った場合と他の方法(何もしない、別のタイプの装置など)を比べても、歯ぎしりの回数や活動そのものを確実に減らすとまでは言い切れないとまとめられています。研究の数・規模が限られており、今後の質の高い研究が必要という位置づけです。
ただし、これは「スプリントに意味がない」という話ではありません。歯ぎしりは睡眠中に体重に近いほどの強い力が歯にかかることがあり、放置すると歯がすり減る・欠ける、被せ物が割れる、といったダメージにつながります。スプリントはそのあいだに硬いプラスチックの層を挟み、歯どうしが直接ぶつかるのを防ぐ盾の役割を果たします。歯ぎしりを止められなくても、歯を守る目的では合理的、と考えられています。
市販品と歯科製作品の違い
ドラッグストアやネットで買える市販のナイトガードは手軽ですが、お湯で軟らかくして噛んで形を取るタイプが多く、フィットの精度は歯科で型取りして作るものに劣りがちです。合わないマウスピースはかえって噛み合わせに違和感を残したり、外れて危なかったりすることもあります。まずは歯科で歯ぎしりの程度と歯の状態を診てもらうのが安全です。
歯ぎしりは睡眠中に体重に近いほどの強い力が歯にかかることがあり、放置すると歯がすり減る・欠ける、被せ物が割れる、といったダメージにつながります。すり減った歯や割れた被せ物は自然には元に戻りません。
歯ぎしり自体を止められなくても、スプリントは歯どうしが直接ぶつかるのを防ぐ盾として働きます。すり減りや破折が進む前に守っておくほうが、あとの治療費や手間を抑えやすいと考えられています。
- スプリントが歯ぎしり自体を止める証拠は不十分と報告されている
- 一方で歯の摩耗を守る盾としての利益はありうる
- 市販品は手軽だがフィット精度は歯科製作品に劣りがち
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Macedo CR, Silva AB, Machado MA, Saconato H, Prado GF. Occlusal splints for treating sleep bruxism (tooth grinding). Cochrane Database Syst Rev. 2007;2007(4):CD005514. doi:10.1002/14651858.CD005514.pub2. PMID: 17943862. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。