いびき・睡眠時無呼吸の歯科マウスピース(OA)ってどうするの?
効果を論文で
口腔内装置(OA)はいびきや睡眠時無呼吸(OSA)の症状を改善すると報告されています。一方で、無呼吸そのものの指標(AHI=無呼吸低呼吸指数)を下げる力はCPAPのほうが優位とされます。装着のしやすさで続けやすいのがOA、効果の強さで勝るのがCPAP、という住み分けが基本です。
OAとCPAP、どう違うの?
OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)の治療の主役は、鼻に装着して空気を送り込むCPAP(シーパップ)です。効果は非常に高いのですが、「マスクが煩わしい」「音や乾燥が気になる」と続かない方が一定数います。そこで選択肢になるのが、就寝時に口へ入れるOA(オーラルアプライアンス)です。上下一体でも分離型でもよいのですが、共通するのは下あごを数ミリ前方に保持し、のどの奥のスペースを確保するという発想。上のコクランレビューでは、OAは無治療に比べて眠気やいびきを改善する一方、AHIの低下量はCPAPに及ばないと報告されています。
私の臨床実感でも、OAは「軽症〜中等症で、CPAPがどうしても続かない人」に向いています。逆に重症例や、循環器のリスクが高い方はまず内科・睡眠専門医の評価が先。歯科でOAを作る場合も、まず医科で診断を受けてからが原則です。
作る前に知っておきたい注意点
OAは長く使うと、かみ合わせがわずかに変化することがあります。朝起きて奥歯が浮く感じ、あごのだるさなどが出ることも。だからこそ、既製品を自分で買って終わりにせず、歯や顎関節の状態を診てから調整できる歯科で作ることをおすすめします。定期チェックで前方に出す量を微調整すると、効果と快適さのバランスが取りやすくなります。
睡眠時無呼吸を見逃したまま市販品でいびきの音だけ抑えても、体への負担(日中の強い眠気・起床時の頭痛・循環器へのリスク)は残ったままになりえます。眠気や頭痛があるなら、自己判断せずまず医科での検査が先です。
OA(口腔内装置)は装着が手軽で続けやすく、CPAPがどうしても続かない軽症〜中等症の選択肢になると報告されています。歯科で歯や顎の状態を診て調整すれば、効果と快適さのバランスを取りやすくなります。
- OA(口腔内装置)はいびき・OSAの症状を改善すると報告されている
- ただしAHIを下げる力はCPAPが優位、住み分けが大切
- 作る前に医科で診断、かみ合わせ変化に配慮して歯科で調整を
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院・医療機関にご相談ください。
参考文献
- 1. Lim J, Lasserson TJ, Fleetham J, Wright J. Oral appliances for obstructive sleep apnoea. Cochrane Database Syst Rev. 2006;2006(1):CD004435. doi:10.1002/14651858.CD004435.pub3. PMID: 16437488. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。