歯みがきをサボると歯ぐきは
どうなるの?
プラーク(歯垢)を放置すると、およそ10〜21日で歯肉炎が発症し、その後清掃を再開すると歯ぐきの状態は回復した、と報告されています。歯肉炎は「サボると起きて、ケアを戻すと引く」、それだけシンプルな反応だということです。
「実験的歯肉炎」で分かったこと
この研究では、健康な歯ぐきの人にあえて一定期間、歯みがきをやめてもらいました。すると歯の表面にプラークがたまり、数日から2〜3週間のうちに、歯ぐきが赤く腫れて出血しやすい「歯肉炎」の状態へと移っていった、と報告されています。ポイントは、これが特別な病気ではなく誰にでも同じように起こる反応だったという点です。
さらに大切なのは、その後です。歯みがきを再開してプラークを取り除くと、炎症を起こしていた歯ぐきは元の健康な状態に戻っていった、と報告されています。つまり歯肉炎の段階なら、原因であるプラークを毎日しっかり落とすことで、可逆的に立て直せる可能性があるということです。
逆に言えば、原因はほぼ「たまったプラーク」一択。高価な道具よりも、毎日の物理的な清掃で歯垢を残さないことが、歯ぐきを守る一番の土台になります。まずは自分の歯垢がどこに残りやすいかを知るところから始めるのがおすすめです。
歯肉炎の段階なら清掃で戻せますが、放置してプラークがたまり続けると歯周炎(歯周病)へと進行します。歯周炎まで進むと歯を支える骨が溶け、元には戻りません。「サボると起きる」うちに毎日のケアで断つのが肝心です。
歯肉炎は原因のプラークを毎日落とせば戻せる可逆的な段階です。気づいた今からていねいに清掃を続けることで、骨が溶ける歯周炎まで進む前に立て直せる可能性があります。
- プラーク放置で約10〜21日で歯肉炎が起こる、と報告
- 清掃を再開すると歯ぐきは回復する可逆的な反応
- 原因はたまった歯垢。毎日落とすことが最優先
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. LOE H, THEILADE E, JENSEN SB. EXPERIMENTAL GINGIVITIS IN MAN. J Periodontol (1930). 1965;36:177-87. doi:10.1902/jop.1965.36.3.177. PMID: 14296927. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。