お口ぽかん(口呼吸)って
顔の発育に影響するの?
口呼吸の子どもは、上下のあごが後方に下がる(後退する)傾向や、のどの奥の気道が狭まる傾向を示すことがある、と報告されています。「お口ぽかん=必ず問題」ではありませんが、成長期の顔・あご・気道の育ち方に影響しうるため、早めに背景(鼻づまり等)を確認する価値があります。
なぜ呼吸で顔つきが変わりうるのか
ふだん私たちは口を閉じ、舌を上あごにつけて鼻で呼吸しています。この舌が上あごを内側から押し広げる力と、閉じた唇が外から支える力のバランスが、成長期のあごの形づくりに関わると考えられています。
ところが慢性的に口呼吸だと、口が開いたまま・舌が下がった状態が続き、この力のバランスが崩れます。上記のメタアナリシスでは、口呼吸の子は鼻呼吸の子に比べて上顎・下顎が後退する傾向や、顔が縦に長くなる方向、気道(のどの奥の空間)が狭くなる傾向が示唆された、と報告されています。あくまで「関連・傾向」であり、口呼吸だけですべてが決まるわけではありませんが、放置してよいクセとは言い切れないという点は押さえておきたいところです。
まず「なぜ口が開くのか」を探す
大切なのは、口呼吸を「意志の問題」ではなく「原因のある結果」として見ることです。多いのが鼻づまり——アレルギー性鼻炎、アデノイドや扁桃の肥大などで鼻で息がしづらいと、体は仕方なく口で呼吸します。この場合、口を閉じるトレーニングより先に耳鼻科での評価が必要です。原因を放置したまま「口を閉じなさい」と言うだけでは、なかなか改善しません。
口呼吸の背景(鼻づまりなど)を放置したまま成長期を過ぎると、あごの後退やのどの奥の気道が狭まる方向の変化が起きうると報告されています。あごの成長は待ってくれないため、「そのうち治る」と様子見を続けるのはリスクになりえます。
あごの成長が活発な時期に背景(鼻づまり等)を確認できれば、成長の力を味方につけて対応しやすいとされます。気になるサインは、早めに耳鼻科・歯科でチェックしておくと安心です。
- 口呼吸の子はあごの後退・気道の狭まりの傾向が報告されている
- ただし「関連・傾向」で、口呼吸だけで全部が決まるわけではない
- まず鼻づまりなど原因を耳鼻科・歯科で確認するのが先
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Zhao Z, Zheng L, Huang X, Li C, Liu J, Hu Y. Effects of mouth breathing on facial skeletal development in children: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2021;21(1):108. doi:10.1186/s12903-021-01458-7. PMID: 33691678. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。