おしゃぶりって使っていいの?
SIDS対策になるって本当?
就寝時のおしゃぶりは、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げると報告されています。一方で長く使い続けると歯並びへの影響が出ることもあるため、「寝かしつけの時期には味方、卒業のタイミングは計画的に」というのが現実的な向き合い方です。
「歯並びに悪い」と「SIDSを減らす」は両立する
歯科医の私が正直にお伝えすると、おしゃぶりは使う「期間」で評価が変わる道具です。乳児期、とくに寝かしつけの場面では、就寝時のおしゃぶりがSIDSのリスク低下と関連すると報告されています。この時期のメリットは、歯並びの心配より優先して考えてよい場面が多いです。
問題になりやすいのは「やめどきを逃す」ケース。長期間・長時間の使用が続くと、上の前歯が前に出る(開咬・上顎前突)といった変化が起こることがあります。ただしこれは早めに卒業できれば自然に戻っていくことも多いため、「使ったから即・歯並びが悪くなる」と決めつける必要はありません。
使うときのちょっとしたコツ
寝つきのサポートとして使うなら、眠ったあとに無理に口へ戻さないこと、そして2〜3歳ごろを目安に少しずつ卒業を意識しておくと、歯並びへの影響を最小限にしやすくなります。甘い液体をつけて与えるのはむし歯の原因になるので避けてください。SIDS対策としては、おしゃぶり単独ではなく「あおむけ寝・かたい寝床・受動喫煙を避ける」といった基本とセットで考えるのが大切です。
おしゃぶりを長期間・長時間つづけると、上の前歯が前に出る(開咬・上顎前突)など歯並びへの影響が出ることがあります。乳児期の味方も、卒業のタイミングを逃すと歯並びのリスクに変わりうる、と押さえておきましょう。
就寝時のおしゃぶりは乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク低下と関連すると報告されています。歯並びの心配より優先してよい場面が多い時期。あおむけ寝など基本の対策とセットで活用しましょう。
- 就寝時のおしゃぶりはSIDSのリスクを下げると報告されている
- 歯並びへの影響が問題になるのは長期・長時間の使用
- 2〜3歳ごろの卒業を目標に、あおむけ寝など基本とセットで
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Hauck FR, Omojokun OO, Siadaty MS. Do pacifiers reduce the risk of sudden infant death syndrome? A meta-analysis. Pediatrics. 2005;116(5):e716-23. doi:10.1542/peds.2004-2631. PMID: 16216900. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。