歯周病を治すと糖尿病も
よくなるの?
歯周治療によって、糖尿病のある人のHbA1c(血糖の指標)が臨床的に有意に低下した、と報告されています。口の中のケアが、全身の数値にも波及しうることを示す結果です。
口の炎症が血糖に響く、という関係
歯周病は、歯ぐきの中で慢性的な炎症が続いている状態です。この炎症は口の中だけの問題にとどまらず、全身のインスリンの効きにくさ(血糖のコントロールのしにくさ)と関わっていると考えられています。だからこそ、その炎症の元を治療で減らせば、血糖の指標にも良い方向の変化が期待できるのではないか——それを検証したのがこのレビューです。
結果として、SRPを含む歯周治療を受けた糖尿病のある人では、HbA1cが臨床的に有意に低下した、と報告されています。HbA1cは過去1〜2か月ほどの血糖の状態を映す指標なので、口のケアが全身の数値に届きうることを示すものと言えます。もちろん歯周治療は糖尿病そのものの薬の代わりではありませんが、治療全体を支える一つの柱になりうると考えられます。
実践面では、歯周病の治療を受けたあと、その状態を日々のセルフケアで維持できるかが鍵になります。歯周ポケット周りは歯ブラシだけでは届きにくいため、歯間ブラシで歯と歯のあいだの汚れを落とすことが重要です。糖尿病がある方は歯ぐきの状態が変わりやすいこともあるので、刺激の少ない洗口液を併用しながら、定期的に歯科でチェックを受けるのがおすすめです。
歯周病は歯ぐきの中で炎症が続く状態で、血糖のコントロールのしにくさと関わると考えられています。歯周病と糖尿病は互いに影響し合うため、口の炎症を放置すると血糖にも、血糖の乱れが歯ぐきにも響く悪循環に陥りやすくなります。
歯周治療を受けた糖尿病のある人では、HbA1c(血糖の指標)が臨床的に有意に低下したと報告されています。糖尿病の薬の代わりにはなりませんが、治療全体を支える一つの柱になりうると考えられます。
- 歯周治療でHbA1cが臨床的に有意に低下、と報告
- 口の炎症は全身の血糖コントロールと関わる
- 治療後は歯間ケアと定期管理で維持を
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Simpson TC, Clarkson JE, Worthington HV, MacDonald L, Weldon JC, Needleman I, et al. Treatment of periodontitis for glycaemic control in people with diabetes mellitus. Cochrane Database Syst Rev. 2022;4(4):CD004714. doi:10.1002/14651858.CD004714.pub4. PMID: 35420698. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。