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抜歯した後の骨、
放っておくと痩せる?
歯を抜くと、その場所のあごの骨は自然に少しずつ痩せて(吸収して)いきます。あとでインプラントやブリッジを入れたいとき、骨が足りなくなることも。それを防ぐのが「ソケットプリザベーション(抜歯窩の骨温存)」です。研究をもとに整理します。
先に結論
抜歯後に骨補填材などで処置する「ソケットプリザベーション」は、何もしない自然治癒に比べて骨の吸収を有意に抑えると報告されています。具体的には、横幅の吸収を平均1.99mm、頬側の高さの吸収を平均1.72mm抑制。ただし使う材料どうしの優劣ははっきりせず、すべての抜歯に必須というわけでもありません。将来インプラント等を予定している・骨が薄い部位、などで検討する処置です。
出典:Avila-Ortiz G, et al. Effect of alveolar ridge preservation interventions following tooth extraction: A systematic review and meta-analysis. J Clin Periodontol. 2019 PMID: 30623987
やる/やらないで何が違う?
| ポイント | ソケットプリザベーションあり | なし(自然治癒) |
|---|---|---|
| 骨の横幅の吸収 | 平均1.99mm 少ない | より痩せやすい |
| 骨の高さの吸収(頬側) | 平均1.72mm 少ない | より痩せやすい |
| 後のインプラント | 骨が残り、埋入しやすい | 骨造成が追加で必要になることも |
| 向くケース | 将来インプラント予定・骨が薄い前歯部など | 骨が厚い・補綴予定がない場合は不要なことも |
※骨補填材の種類やメンブレン(膜)の有無による優劣は、現時点で明確な結論が出ていません。適応は部位や今後の計画によります。
Q抜歯したら全部やった方がいいの?
A
現役歯科医師が回答いいえ、全員に必要ではありません。その後にインプラントやブリッジを予定しているか、骨が薄い部位かで価値が変わります。とくに前歯など見た目に関わる部位や、頬側の骨が薄い場合は、痩せると審美・機能に影響するため検討の価値があります。逆に、補綴の予定がなく骨が十分なら不要なことも。今後の治療計画とセットで歯科医と相談してください。
数字で見る:抑えられる骨吸収量
出典:Avila-Ortiz 2019(J Clin Periodontol, PMID:30623987)。自然治癒と比べた、ソケットプリザベーションによる骨吸収の抑制量(平均)。
1.99mm
横幅の吸収を抑制
1.72mm
頬側の高さの吸収を抑制
材料差
は明確な優劣なし
「抜いてから考える」だと選べないことも
ソケットプリザベーションは、抜歯と同時に行う処置です。抜歯が終わってしばらく経つと、骨はすでに痩せ始めているため、後から「やっぱり…」と思っても選べません。抜歯を予定していて、その後にインプラント等を考えているなら、抜く前に「骨を残す処置が必要か」を相談しておくのがポイントです。
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「その後の計画」から逆算して決める
ソケットプリザベーションの価値は、その歯を抜いた後どうするかで決まります。インプラントや見た目が重要な前歯なら、骨を残しておくメリットは大きい。逆に予定がなければ不要なことも。だからこそ、抜く前に治療計画ごと相談しておくのが、後悔しないコツです。
まとめ
- 抜歯後は骨が自然に痩せる。ソケットプリザベーションで横幅1.99mm・高さ1.72mmの吸収を抑制
- 材料間の優劣はまだ明確でない
- 全員に必須ではない。将来インプラント予定・骨が薄い部位で価値が大きい
- 抜歯と同時に行う処置。抜く前に治療計画ごと相談を
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。適応や効果は個々の状態により異なります。歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Avila-Ortiz G, Chambrone L, Vignoletti F. Effect of alveolar ridge preservation interventions following tooth extraction: A systematic review and meta-analysis. J Clin Periodontol. 2019;46 Suppl 21:195-223. doi:10.1111/jcpe.13057. PMID: 30623987. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。