骨が足りないと言われた…
骨造成(GBR)は必要?
骨が足りない部位でも、骨造成で土台を作ってインプラントを支える方法は確立しています。システマティックレビューでは、GBRで造成した骨に入れたインプラントの生存率は約95.5%(歯槽堤の造成・追跡5〜74か月)、骨が痩せた無歯顎の上あごでもGBRで96.1〜100%と高く報告されています。垂直的(高さ方向)の造成でも平均約4.5mm骨を増やせます。ただし追加の手術・費用・治癒期間がかかり、全員に必須ではありません。とくに垂直的な造成は難易度が高く、喫煙などで成功率が下がります。
「骨造成」でわかっていること
| ポイント | 研究でわかっていること |
|---|---|
| GBRに入れたインプラントの生存 | 歯槽堤の造成で約95.5%(Aghaloo 2007・追跡5〜74か月) |
| 骨が痩せた上あご(無歯顎) | GBRで96.1〜100%(Aghaloo 2016)/骨移植(オンレー)は85.2% |
| 高さ方向(垂直的)の造成量 | 平均約4.49mm増やせる(Elnayef 2017・95%CI 3.85〜5.14) |
| 手術方法どうしの差 | インプラント生存に明確な差はなし。GBRは合併症・骨の再吸収が最も少ない傾向(Elnayef 2017) |
※「生存率」は入れたインプラントが機能し続けている割合で、造成そのものの成功や見た目の満足度とは別の指標です。数値は研究をまとめた値で、部位・術式・全身状態により個人差があります。
骨造成は外科手術です。とくに高さ方向(垂直的)の造成は難易度が高く、膜の露出・感染・思ったほど骨がつかないなどの合併症が起こり得ます。また多くは自費で高額になり、造成→治癒→インプラントと期間も長くなります。喫煙は骨造成・インプラントの失敗リスクを高めることが知られており、術前の禁煙が推奨されます。担当医の経験・症例数や、合併症時の対応も含めて確認しましょう。
骨造成は有効な選択肢ですが、唯一の答えではありません。骨を増やしてインプラントを入れる方法のほか、短いインプラント・傾けた埋入・ブリッジ・入れ歯など、造成を避けられる選択肢もあります。費用・期間・手術の負担・希望する仕上がりを並べて、複数案を比べて納得して決めるのが、後悔しないコツです。
- 骨が足りなくても、骨造成で土台を作ればインプラントを支えられる。GBRの生存率 約95.5%、痩せた上あごでも96.1〜100%
- 高さ方向の造成でも平均約4.5mm増やせる。GBRは合併症・骨吸収が最少の傾向
- ただし外科手術・自費で高額・治癒に時間。垂直的造成は難しく合併症も
- 喫煙は失敗リスク。術前の禁煙を。造成しない選択肢とも比較して決める
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。適応や効果は個々の状態により異なります。治療の判断は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Aghaloo TL, Moy PK. Which hard tissue augmentation techniques are the most successful in furnishing bony support for implant placement? Int J Oral Maxillofac Implants. 2007;22 Suppl:49-70. PMID: 18437791. PubMed
- 2. Aghaloo TL, Misch C, Lin GH, Iacono VJ, Wang HL. Bone Augmentation of the Edentulous Maxilla for Implant Placement: A Systematic Review. Int J Oral Maxillofac Implants. 2016;31 Suppl:s19-30. doi:10.11607/jomi.16suppl.g1. PMID: 27228250. PubMed
- 3. Elnayef B, Monje A, Gargallo-Albiol J, Galindo-Moreno P, Wang HL, Hernández-Alfaro F. Vertical Ridge Augmentation in the Atrophic Mandible: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Oral Maxillofac Implants. 2017;32(2):291-312. doi:10.11607/jomi.4861. PMID: 28291849. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。