砂糖をどれくらい減らせば
虫歯にならないの?
遊離糖(食品に加えられた砂糖など)を1日の総エネルギーの10%未満に抑えると、むし歯が減ると報告されています。さらに5%未満まで下げれば生涯を通じてより低いリスクが期待できる、という関係も示されています。「ゼロ」ではなく「上限を意識する」のが現実的なゴールです。
「遊離糖10%未満」って実際どのくらい?
ここでいう砂糖は、正確には遊離糖(free sugars)を指します。お菓子やジュースに加えられた砂糖、はちみつ、シロップ、果汁などが対象で、野菜や果物そのものに含まれる糖は含みません。この系統的レビューでは、遊離糖の摂取量とむし歯の量に用量反応的な関係(多く摂るほど増える傾向)が見られ、総エネルギーの10%未満に抑えたグループでむし歯が少なかった、と報告されています。
大人で1日2000kcalを目安にすると、10%は200kcal=砂糖にしておよそ50g、5%ならおよそ25gです。角砂糖1個が約3〜4gなので、5%は「1日角砂糖6〜7個ぶん」というイメージ。ここで見落としがちなのが飲み物で、加糖の清涼飲料500mlには砂糖が40〜50g前後含まれることも珍しくありません。1本で1日の上限に迫ってしまう計算になります。
「量」だけでなく「回数」も効く
虫歯は、糖が口に入るたびに歯の表面が酸性に傾き、溶け始める(脱灰)ことで進みます。だらだらと甘いものを口にし続けると、歯が回復(再石灰化)する時間を奪われ、総量が同じでも不利になりやすい、という考え方があります。上限の意識に加えて、間食の回数を区切ることも、日常でできる現実的な対策のひとつです。ただし、糖を減らすことは全身の健康にも関わるため、極端な制限より「続けられる範囲で上限を守る」姿勢が大切です。
糖が口に入るたびに歯の表面は酸性に傾き、溶け始めます(脱灰)。だらだらと甘いものを口にし続けると、歯が回復(再石灰化)する時間が奪われ、総量が同じでも不利になりやすいと考えられます。とくに加糖の清涼飲料500mlには砂糖が40〜50g前後含まれることもあり、1本で1日の上限に迫ってしまいます。
研究では「上限を下げるほどリスクが下がる」というグラデーションの関係。完全にやめる必要はありません。まず加糖飲料を水やお茶に置き換えるだけでも、食べる楽しみを我慢せずに総量をぐっと減らせます。フッ素入り歯磨き粉での清掃と組み合わせると効率的です。
- 遊離糖を総エネルギーの10%未満に抑えるとむし歯が減ると報告
- 5%未満まで下げるとさらに低リスクが期待できる
- まずは加糖飲料の置き換えと間食回数から見直すのが現実的
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Moynihan PJ, Kelly SA. Effect on caries of restricting sugars intake: systematic review to inform WHO guidelines. J Dent Res. 2014;93(1):8-18. doi:10.1177/0022034513508954. PMID: 24323509. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。