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昔の常識 vs 最新 2026年7月20日 読了 約4分

砂糖はむし歯だけ?
じつは歯ぐきの炎症にも

「砂糖=むし歯の原因」はよく知られています。一方で歯ぐきの腫れ・出血(歯肉炎)は、プラーク(歯垢)を落とせているかの話だと考えられがちです。ところが最新のレビューは、砂糖の摂り方そのものが歯ぐきの炎症にも関わる可能性を示しました。
先に結論

2023年のシステマティックレビュー(対照試験9件)は、「遊離糖(砂糖など)を控えると、歯ぐきの炎症が減る」という関連を報告しました(標準化平均差 SMD −0.92、統計的に有意)。一方でプラーク量の変化は、はっきりした差にはなりませんでした。これは、砂糖がプラークを増やす経路だけでなく、体の炎症の面からも歯ぐきに影響しうることを示唆します。歯みがきに「砂糖の摂り方」を足す——それが歯ぐきケアの新しい一手です。

出典:Woelber JP, et al. Free sugars and gingival inflammation: A systematic review and meta-analysis. J Clin Periodontol. 2023 PMID: 37246336

「昔の常識」と「最新の見直し」

ポイントこれまでの理解最新レビューの指摘
砂糖の害おもに「むし歯」の原因歯ぐきの炎症とも関連しうる
歯肉炎の対策プラーク除去(歯みがき)が中心砂糖を控えることも一つの手
効き方砂糖→プラーク増→炎症プラーク量の差は不明瞭。別経路の関与も示唆
歯ぐきへの影響あまり結びつけられない砂糖制限で炎症が有意に低下(SMD −0.92)

※対象は主に「管理された条件での対照試験」で、研究数はまだ多くありません。「関連が示された」段階であり、日常生活での効果の大きさには個人差があります。

Qちゃんと歯みがきしてるのに、歯ぐきが腫れやすい…
A
現役歯科医師が回答もちろん、まずはプラークをきちんと落とすことが歯肉炎ケアの基本です。そのうえで、甘い飲み物やお菓子をダラダラ摂る習慣があるなら、回数と量を見直す価値があります。今回の研究は、砂糖を控えることが歯みがきとは別の後押しになりうることを示しています。「磨く」と「摂り方」の両輪で考えてみてください。
数字で見る:砂糖を控えると何が変わった?
出典:Woelber 2023(J Clin Periodontol)PMID:37246336。砂糖制限あり vs なしの標準化平均差(SMD)。マイナスが大きいほど「制限した方が良かった」ことを示します。
−0.92
歯ぐきの炎症の差(有意・p<.004)
−0.61
プラーク量の差(有意には至らず・p<.07)
9
解析に含まれた対照試験(数はまだ少ない)
歯ぐきの炎症:砂糖制限で有意に低下
SMD −0.92
プラーク量:減る傾向だが有意差なし
SMD −0.61
「歯みがきの代わり」ではありません

誤解しないでほしいのは、これは「砂糖を減らせば歯みがきは不要」という話ではないということ。プラーク除去は今も歯肉炎ケアの土台です。今回の知見は、その土台に「砂糖の摂り方」というもう一つの対策を足せるという前向きな追加情報です。どちらか一方ではなく、両方で守りましょう。

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歯ぐきの腫れや出血が気になる人は、毎日のプラーク除去に加えて、甘い飲み物・お菓子の回数を少し減らすことを試す価値があります。がまんの完全禁止ではなく、ダラダラ食べ・飲みを区切るだけでも一歩。むし歯予防にもつながる、一石二鳥の習慣です。

まとめ

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の食品・製品の効果を保証するものではありません。歯ぐきの腫れ・出血が続く場合は歯科医院にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Woelber JP, Gebhardt D, Hujoel PP. Free sugars and gingival inflammation: A systematic review and meta-analysis. J Clin Periodontol. 2023;50(9):1188-1201. doi:10.1111/jcpe.13831. PMID: 37246336. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。