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歯内療法 2026年7月13日 読了 約4分

神経を残す治療(直接覆髄)って
どうするの?MTAって?

深い虫歯を削っていくと、神経(歯髄)がわずかに顔を出してしまうことがあります。ここで「神経を取るか、残すか」の分かれ道。神経を残す直接覆髄(ちょくせつふくずい)と、そこで注目される材料MTAについて解説します。
先に結論

直接覆髄では、MTAが従来の水酸化カルシウムより失敗率が低いと報告されています。露出した神経にフタをして守る「覆髄材」は複数ありますが、MTAのほうが神経を残せる可能性が高いという結果です。神経を抜かずに済むなら、それに越したことはありません。

出典:Li Z, et al. Direct pulp capping with calcium hydroxide or mineral trioxide aggregate: a meta-analysis. J Endod. 2015 PMID: 26187422

直接覆髄って何をするの?

虫歯を取り除く途中で神経が露出してしまった場合、そのまま放置すると細菌が入って炎症を起こします。そこで露出した神経の上に薬(覆髄材)を置いてフタをし、その上を封鎖するのが直接覆髄です。うまくいけば神経がダメージから回復し、内側に新しい硬い組織(デンティンブリッジ)を作って自らを守ります。神経を取ってしまう根管治療を避けられる、いわば「神経の温存作戦」です。

MTAと水酸化カルシウムの違い

長年使われてきた覆髄材が水酸化カルシウムです。安価で扱いやすい一方、時間とともに溶けたり隙間ができたりする弱点があります。これに対しMTA(ミネラル・トリオキサイド・アグリゲート)は封鎖性が高く、神経に対する刺激が少ないのが特徴。今回のメタ解析では、MTAのほうが失敗率が低いと報告されています。ただしMTAは費用が高めで、保険適用の範囲は状況により異なるため、事前の説明を受けておくと安心です。

Q神経を残す治療は誰でも受けられますか?
A
現役歯科医師が回答残念ながら万能ではありません。すでに強い自発痛が続いていたり、神経の炎症が進んでいたりすると、残そうとしても後から痛みが出て結局抜くことになるケースもあります。「痛みの出方」や「虫歯の深さ」で適応が決まるため、まずは診断が第一。神経を残せる状態かどうかは、遠慮なく担当医に確認してください。
覆髄がうまくいかないと…

露出した神経を放置したり、封鎖が不十分だったりすると、細菌が入って神経の炎症(歯髄炎)が進みます。そうなると神経を残せず、結局根管治療で神経を抜くことに。神経を失った歯はもろくなりやすく、寿命にも影響します。だからこそ材料選びと診断が大切です。

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神経を残せるメリット

神経を温存できれば、歯に栄養や感覚が保たれ、歯を長く丈夫に使いやすくなります。適応となる早い段階で相談し、封鎖性の高い材料で丁寧に処置することが、抜髄を避ける近道です。「まだ神経を残せる状態か」を早めに確認しておく価値があります。

まとめ

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Rôças IN, Lima KC, Assunção IV, Gomes PN, Bracks IV, Siqueira JF. Advanced Caries Microbiota in Teeth with Irreversible Pulpitis. J Endod. 2015;41(9):1450-5. doi:10.1016/j.joen.2015.05.013. PMID: 26187422. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。