根管治療って
1回で終わらせていいの?
単回法と複数回法で、治癒や歯の生存に明確な差はないと報告されています。「1回で終わったから雑」でも「何回もかかるから丁寧」でもありません。回数そのものより、一回一回の質と条件が大切、というのが研究の示すところです。
単回法と複数回法、何が違うの?
単回法は、根の中の清掃・消毒から詰め物(根管充填)までを1回の来院で仕上げる方法です。一方複数回法では、いったん消毒薬を根の中に入れて数日〜数週間おき、細菌が減るのを待ってから次の回に詰めます。「時間をかけて消毒したほうが確実では?」という発想ですね。今回のコクランレビューでは、この2つを比べても治り方や歯を残せる割合に大きな差は見られなかったと報告されています。
では回数は何で決まるの?
差がないなら、実際の選択は歯の状態次第です。膿がたまって腫れている、根の形が複雑、といったケースでは複数回に分けたほうが安全なこともあります。逆に条件が良ければ1回で仕上げても問題ありません。大切なのは回数のブランド化ではなく、その歯にとって理にかなった進め方かどうか。通院回数だけで医院の良し悪しを判断しないほうがよい、ということです。
回数の違い以前に、もっとも避けたいのが治療の中断です。消毒薬を入れた「仮のフタ」のまま放置すると、そこから細菌が入り込み、せっかくの治療が振り出しに戻ることがあります。単回でも複数回でも、詰め物と被せ物まで完了させることが歯を残す条件です。
単回法と複数回法で治癒や歯の生存に明確な差はない、と報告されています。「1回で終わったから雑」「何回もかかるから丁寧」と回数だけで判断する必要はありません。その歯に合った進め方かどうかで安心して選べます。
- 単回法と複数回法で治癒・生存に明確な差はないと報告
- 回数は歯の状態に応じて選ばれるもの
- いずれにせよ最後まで通い切ることが大前提
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の治療・製品の効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。
参考文献
- 1. Mergoni G, Ganim M, Lodi G, Figini L, Gagliani M, Manfredi M. Single versus multiple visits for endodontic treatment of permanent teeth. Cochrane Database Syst Rev. 2022;12(12):CD005296. doi:10.1002/14651858.CD005296.pub4. PMID: 36512807. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。